中学道徳の授業でデジタル教材の実証研究…日本文教出版とストリートスマート

公開日時:2022-03-30 16:15:07  
カテゴリ:教材・サービス/授業

「教科書の内容に合わせたデジタル教材」の実証研究
「教科書の内容に合わせたデジタル教材」の実証研究
教科書の内容に合わせたテンプレートを作成
教科書の内容に合わせたテンプレートを作成
導入
導入
展開(1)
展開(1)
+アルファ
+アルファ
展開(2)
展開(2)
 ストリートスマートは、日本文教出版と共同で「教科書の内容に合わせたデジタル教材」の実証研究を行なった。中学道徳の教科書と連動したテンプレートを作成し、実際の中学校の授業で使用した。

 ストリートスマートはICT教育を進める先生へ向けた総合プラットフォーム「master study」をリリースし、授業内で使えるコンテンツを開発、提供している。先生の授業準備負担を軽減し、ICTの恩恵を授業で最大限活用できるコンテンツを配信するには、教科書との連動が重要だと考えたストリートスマートは、日本文教出版と共同の実証研究を行なった。

 日本文教出版は小・中・高等学校の文部科学省検定教科書を発行する教育専門出版社で、副読本、デジタル教科書・教材の開発・発売等も行なっている。

 今回行った実証研究では、日本文教出版と共同で、中学校で使用される道徳の教科書に合わせたGoogle for Educationの活用方法を検討、教科書の内容に合わせたテンプレート作成を行った。その後、東京都の中学校において実際の授業で使用するようすをモニタリング。指導担当の先生、生徒にアンケートを実施した。

 授業の流れは、題材について興味・関心を高める「導入」、他者の意見を知り題材の理解を深める「展開(1)」、自分の考えと他者の意見をまとめる「展開(2)」、題材を自身に置き換えて考える「+アルファ」の4段階に分けられており、使用したテンプレートは先生がダウンロードするだけで簡単に活用できるようにした。

 「導入」は、Google検索で題材に関する写真、動画を生徒に見せることで興味・関心を高める。Google classroomの「質問」、Googleフォームを用いて、クラスの生徒が抱く題材のイメージを共有できる環境も整えた。

 「展開(1)」では、Google classroomの「質問」を通して、他の生徒がどのように捉えたのか、どのように考えたのかを共有し、題材への理解を深める。Googleスライドを活用し、題材をまとめた図を投影。これによって題材の説明の時間が短縮され、考えることに多くの時間を設けることができる。

 「展開(2)」では、班になって意見をまとめる作業を行う。おもにGoogle Jamboardを活用し、題材に対する自身と他者の考えを整理する。クラスメイトの意見を可視化し、意見の幅を広げることができる。

 「+アルファ」では、クラスメイトとのディスカッションで考えの幅を広げた後、Googleドキュメントを使用して自身の考えをまとめる。意見をデータで保存できるため、先生と生徒がいつでも確認できるオンラインポートフォリオとしても活用可能。

 この授業を行うにあたって、先生には使用するテンプレートを事前にダウンロードしてもらい、当日には投影用モニター1台、先生・生徒にChromebook各1台を用意。授業は全体の流れに沿って、Google検索、Google Classroom、Google Jamboard等を活用して進行。

 Google Classroomの活用により、普段は意見を出すことが苦手な生徒も簡単に意見することができ、早く終わった生徒もコメント機能を使ってコミュニケーションを活発にとる姿が見受けられた。また、Google Jamboardの活用によって、生徒の意見を班ごとに整理しやすくなった。他の班の生徒への共有も簡単に行えるため、より多くの生徒の意見を見ることもできた。

 授業後に実施したアンケートでは先生から「デジタル教材を使用するメリットを感じられた」という回答が生まれた。道徳の授業にICT活用をするのは初の試みという先生もいたが、ICTによって生徒のコミュニケーションが活発になったという感想も出た。

 普段は意見をすることが苦手でも簡単に意見することができ、さらにコメントをもらうことで自信にもつながる。生徒からもデジタル教材を使用することでコミュニケーションが活性化したという感想が多くあった。

 今回の実証研究で、教科書の内容に合わせたデジタル教材の活用は「コミュニケーションの活性化」「題材の導入をスムーズにする」等のメリットがあることが明らかになった。実際に授業で使用したことにより、機器の操作やデータ保存のシステムに関すること等、現場で起こる具体的な課題や改善点を明らかにすることもできた。

 今回の実証研究に活用された教材テンプレートは、総合プラットフォーム「master study」より無料で使用できる。
<高垣愛>