2040年に向けた高等教育構想案、10/26まで意見公募

公開日時:2018-10-11 17:45:03  
カテゴリ:教育業界ニュース/文部科学省

文部科学省 「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申(案))」に関する意見公募手続の実施について
文部科学省 「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申(案))」に関する意見公募手続の実施について
e-Gov(イーガブ)「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申(案))」に関する意見募集の実施について
e-Gov(イーガブ)「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申(案))」に関する意見募集の実施について
 文部科学省は2018年10月10日から26日まで、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申(案))」に関するパブリックコメント(意見公募手続)を実施する。電子政府の総合窓口「e-Gov(イーガブ)」にて、広く国民の意見を募る。

 2017年3月6日に開催された中央教育審議会総会において、「我が国の高等教育の将来構想について」諮問が行われ、おおむね2040年ごろの社会を見据えた、これからの時代の高等教育の将来構想について、総合的な検討を要請。中央教育審議会では将来構想部会を中心に議論を進め、2018年10月5日開催の総会にて、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申(案))」を大筋了承している。今回の意見募集は、答申に向けた最終的な議論の参考とするために実施するという。

 「e-Gov(イーガブ)」に公開された答申(案)によると、答申は2040年という22年先を見据えて、そこから逆算的に考え、必要な提言を行うもの。「2040年の展望と高等学校が目指すべき姿」「教育研究体制」「18歳人口の減少を踏まえた高等教育機関の規模や地域配置」「今後の検討課題」などで構成されている。

 「2040年の展望と高等学校が目指すべき姿」にて、AIには果たせない真に人が果たすべき役割を十分に考え、実行できる人材が必要と述べている。高等教育が目指すべき姿として、「何を教えたか」から、学修者が「何を学び、身に付けることができたのか」への転換、大規模教室での授業ではなく、少人数のアクティブ・ラーニングや情報通信技術(ICT)を活用した新たな手法の導入などが必要との考えを示した。学修の評価についても、学年ごとの期末試験での評価で学生が一斉に進級・卒業・修了するという学年主義的・形式的なシステムから、個々人の学修の達成状況がより可視化されることを求めている。

 また、今後、高等教育機関は18歳で入学する日本人をおもな対象として想定するという従来モデルから脱却し、社会人や留学生を積極的に受け入れる体質転換を進めることを提言。重要性が増していくと見込まれるリカレント教育について、従来行われてきたものは学修者の視点に立っていないと指摘している。より短期の実践的・専門的なプログラムの認定制度の創設に向けた履修証明制度の見直しや、社会人の多様な学修形態に対応できる単位累積加算制度についても検討を進める。

 2040年の高等教育機関への進学率の推計も行っており、高等教育機関への進学率は83.6%、大学進学率は57.4%と推測している。大学進学率は2017年と比較して4.8ポイント増となるが、18歳人口の減少なども反映し、大学進学者数は12万人減の約51万人になるという。高等教育機関・大学ともに現在の約80%の規模となる見込み。

 これからの20年で人口減少がより急速に進むことから、地方における質の高い教育機会の確保を大きな課題としてあげている。地域の高等教育機関が高等教育という役割を越えて、地域社会の核となり、 産業界や地方公共団体とともに将来像の議論や具体的な連携・交流などの方策について議論する「地域連携プラットフォーム(仮称)」の構築を提案。あわせて、議論の前提としての各種データの収集・整備、「地域連携プラットフォーム(仮称)」構築への支援、制度的整備などを国が担うべき役割としている。

 答申の最後には、「本答申が提言した高等教育のグランドデザインは、すべての学修者が自らの可能性の伸長を実感できる高等教育改革の実現であり、それができない機関は社会からの厳しい評価を受けることとなり、その結果として撤退に至ることもあり得ることを覚悟しなければならない」と記している。そのほか、高等教育機関が個々人の可能性を最大限伸長するための教育を行うためには、高等教育機関で学ぶことを可能とする能力を備えた学生を受け入れていくこと、初等中等教育段階において文理分断の状況を改善すること、また、多様なキャリアを自ら考えていくことができる教育が行われていることが前提との考えを示した。

 パブリックコメントに関する資料は、e-Gov内のパブリックコメントページにて公開。意見提出はe-Govの意見提出フォームのほか、郵送・FAX・電子メールにて行うことができる。提出期限は2018年10月26日必着。
<黄金崎綾乃>