【大学受験】初年度納入金、公立理系と私大で上昇…旺文社

公開日時:2019-10-09 15:45:03  
カテゴリ:教育・受験/高校生

公立・私立大 学部系統別 初年度納入金平均額 (c) 2019 旺文社 教育情報センター
公立・私立大 学部系統別 初年度納入金平均額 (c) 2019 旺文社 教育情報センター
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旺文社教育情報センター
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 旺文社教育情報センターは2019年10月1日、「2019年度学費平均額」をWebサイトに掲載した。初年度納入金平均額は、公立大学理系と私立大学のほとんどの学部系統で上昇。国立大学では、東京藝術大学と東京工業大学の授業料が値上げしている。

 旺文社は、2019年7月13日発売の進学情報誌「螢雪時代8月臨時増刊」において、全国の大学を対象に調査を実施。2019年度の学部系統別の初年度納入金平均額を算出した。志望校選びでは、学費の問題は避けては通れないが、初年度納入金平均額を参考に早い段階で志望校のおおまかな学費を想定してほしいとしている。なお、初年度納入金とは、入学金や授業料、施設費、実習費、諸会費など、1年次に支払う学費全体のこと。

 大学の学費は、国公私立大学別で金額は大きく異なる。国立大学に関しては、入学金と授業料は文部科学省が決めた標準額の20%増を限度に各大学が決定することになっている。2019年度の標準額(昼間部)は、入学金が28万2,000円、授業料が53万5,800円、初年度納入金が81万7,800円。

 2019年度の国立大学は、多くの大学・学部が文系・理系を問わず、標準額のとおりに設定しているが、一部で値上げの動きがあり、授業料について東京藝術大学が64万2,960円、東京工業大学が63万5,400円に変更している。金額変更の流れは今後も続く見通しで、2020年度には千葉大学と一橋大学も授業料値上げを予定している。

 公立大学は、授業料に関しては大半が国立大学と同額に設定。入学金は大学ごと異なり、地元出身者には低く設定している大学が多い。旺文社のデータによると、地元出身者とそれ以外では同学部系統で13〜17万円程度の差となり、医・歯学部系統ではさらにその差が大きくなっている。

 私立大学は、大学・学部などによってさまざまで、特に学部系統によって初年度納入金が大きく異なっている。旺文社によると、平均額は学部系統別で高い順に「医→歯→薬→看護・医療・栄養→農・獣医畜産・水産→芸術→工・理→体育・家政→文系学部」。学費が高い系統では、実験や実習、専用施設、少人数や個別指導などが影響しているという。

 公立大学と私立大学について、初年度納入金平均額を前年と比較すると、公立大学は法学部と国際学部を除く文系全学部で減少している一方、理系はすべての学部系統で増加。私立大学は、多くの学部系統で入学金が減少したが、授業料は増加しており、初年度納入金平均額は上昇している。

 私立大学の学部系統別では、国際関係、工、薬、体育・健康科学部は授業料も入学金も上昇。医・歯学部は、一部の大学で実習費などが増額。農・獣医畜産・水産学部のみ、入学金はやや増加したものの、授業料がやや減少し、一部の大学が実習費などを減額した影響から、全学部系統の中で唯一、初年度納入金が減少している。

 旺文社では「学費を調べるとき、授業料などの一項目だけを見て、『高い』『低い』と判断しがち」としたうえで、「授業料には含まれていない必要経費がほかにもあり、“学費”と思っていたものが実際には、必要な金額と大きく異なっていることもある。ひとつの項目で判断せず、初年度納入金全体をしっかりと確認することが大切」とアドバイスしている。

 旺文社教育情報センターのWebサイトでは、公立・私立大学別や分野別の初年度納入金平均額を公開している。「螢雪時代8月臨時増刊」では、大学別の実際の学費についても掲載している。
<奥山直美>