リセマム新旧編集長対談「納得して子育てするための正しい情報を伝えたい」

公開日時:2021-04-01 00:05:03  
カテゴリ:教育業界ニュース/その他

「リセマム」のロゴと2020年4月にリセマムからスピンアウトする形で立ち上げた「リシード」のロゴ
「リセマム」のロゴと2020年4月にリセマムからスピンアウトする形で立ち上げた「リシード」のロゴ
 2021年4月1日、イードが運営する「リセマム」は編集長交代を発表した。サイト開設から10年にわたり編集長を務めてきた田村麻里子から、2018年より彼女のもとで副編集長を務めた野口雅乃へバトンが渡される。

 本記事では、田村・野口の2人による新旧編集長対談のようすを送る。10周年を迎え、新たなステップを踏み出す「リセマム」への2人の思いとは。

リセマム11年目、新たなステップへ

野口:田村さん、あらためてリセマム10周年お疲れさまでした。

田村:お疲れさまでした! あっという間だったわ!

 やるからには長く継続できる、多くの人に頼りにしていただけるメディアにしたいなという思いはありつつ、ここまで大きなメディアに成長できるなんて思いませんでした。読者の皆さまやクライアントの皆さま、そして社内外のスタッフに恵まれて、ここまでやってこられました。あらためてリセマムに接してくださった皆さまに感謝の気持ちをお伝えしたいです。ありがとうございます。

野口:これを機に今一度、リセマム立ち上げの背景や当時の田村さんの思いを、読者の皆さまに伝えておきたいなと思っています。

田村:そうね。まず私の経歴をお話しすると、新卒で理工系の専門書の出版社に勤めて、その後IT企業の出版部門でPC・情報処理系の雑誌や書籍の編集を担当してきました。その後、イードの前身となるIRIコマース&テクノロジーにジョインして、ブロードバンドをテーマとするWebメディアに関わりました。そんなこんなでITが大好きなんだけど、自分自身の経験が生かせるWebメディアをつくりたいなという思いがあって。

 特に私自身、子どもの中学校受験を経験したのだけど、仕事をしながらの受験対策は想像以上に大変でした。当時は、受験に熱心なご家庭はお母さまが専業主婦のことも多かった印象で、塾や学校側からの情報発信もそれを前提としているところがあった気がします。

 教育や子育てに対する思い入れは他のご家庭に劣らずあっても、夫婦ともに仕事をしながらのわが家にとって、塾の説明会に毎回参加して、情報をキャッチアップするわけにもいかず。インターネットで情報を集めようとしても掲示板サイトや口コミが大半で、情報の取捨選択に迷ったり、読んでいて辛い気持ちになるものもあったりして、心が荒みそうになったこともありました。

 自分の経験を生かして、正確な情報を、安心して得られるような教育のWebメディアをつくりたいと思ったことがいちばんのきっかけです。

 一方で、ちょうど教育のICT化が叫ばれてきた時期でもあったので、その点でも自分のITの知識を生かせるのではと考えていました。

月600万人が訪れる日本最大級の教育情報サイト

野口:田村さんの母親としての実体験から使命感をもって立ち上げたメディアですね。多くの方がリセマムを支持してくださっていて、2021年の頭には1か月で2,300万PVを記録しました。ここから試算すると、リセマムのサイトには最大で月600万人の方がアクセスしてくださっていると想定されます。

田村:当初は受験情報を集める保護者のためのWebメディアとして立ち上げたリセマムも、タイムリーかつスピーディに、真摯に、正確な情報発信を続けてきたことで、教育業界関係者や国内外の教育関係者の皆さまにも読んでいただけています。

 野口さんがリセマムにジョインしたのは2018年だったわよね。きっかけを教えてくれる?

野口:うーんと、どこから話そうかな。私は大学の学部・大学院と教育学を学んで、大学院修了後、新卒時は教育工学の教授のもとで研究員兼秘書として仕事をしていました。身の回りの大学の先生方が、自分の研究やプロジェクトを世間に発信する術として、リセマムに信頼をおいていたこともあり、そのころから「リセマム」という存在は認識していました。

2010年10月のサイト開設当時のリセマム

田村:大学の先生方にも評価していただいてるなんて、とても光栄!

野口:当時の私は、学術的な情報を噛み砕いて世間に発信することの大切さや面白さを実感して、メディアでの仕事そのものに関心をもち始めたころでした。その思いから、まずは「メディアの中の人」を経験しようと、女性向け情報メディアを運営する会社に転職しました。ターゲットとなる読者を分析して記事を書き分けたり、ニーズのある情報を発信したり、読者と繋がるイベントを企画したり、さまざまな経験をしました。

 2016年に長男出産後、ふと立ち止まって自分のキャリアを考えたときに、メディア運営や編集のノウハウを生かして、自分の兼ねてからの関心テーマであり、原点ともいえる、教育や学びについての情報を発信したいと思ったんです。その後の転職活動でエージェントからもらった求人票の中に、偶然にもリセマム編集部の求人を見つけて、ここしかないと。運命を感じて即応募して、そして今に至ります。

最新情報をタイムリーに正しく伝えるべく、日々精進

田村:メディア立ち上げ当時の私は、教育・子育ての情報といえば自分自身と子供の経験しか知識がなかったから、いろいろなキーワードを駆使してインターネットで検索したり、講演やイベントに参加したり、ネタ集めと知識の獲得に奔走していました。

 その点、野口さんはアカデミックの素地もあって、私とは違った情報へのアプローチ方法を知っているので心強いです。

野口:確かに、田村さんと私の情報収集のしかたは少し違いますね。

 でもいくら私が教育について学んでいたとはいえ、教育業界は日進月歩しているので常に知識をアップデートしなければと思っています。コロナ禍ではオンラインでのセミナーやイベントが数多く開催されるようになり、生の情報によりアクセスしやすくなったことは、私たちとしても非常にありがたいことですね。

田村:それに加えて私が野口さんに編集長を任せようと思った理由は、読者の目線に合ったメディアとしてより成長させてほしいと思ったから。まさに子育て真っ只中の野口さんが、自分にとっても読者にとっても必要、届けたいと感じる情報を発信してほしいと思っています。

 保護者の方が情報収集する手段もこの10年間で大きく様変わりしていて、これからますます加速すると思うの。今までの経験をもとに、その社会の動きに即したメディア展開をしていってもらいたいな。

野口:しかと心得ました。私なりに頑張ります! リセマム編集部には、お子さんの中学受験を控えたスタッフ、高校受験を終えたばかりのスタッフという心強いメンバーがいますし、また教育に関心があり子育て経験のある契約ライターを全国に抱えています。私ひとりの知識や関心だけではカバーしきれない分野への展開も、編集部の皆と一緒であれば実現できる気がしています。

田村:うんうん、期待しています! ところで、野口さんはそもそもなぜ「教育」に関心があるの?

野口:私の父が公立高校の教員なんです。私も幼いころから先生という職業に憧れていて、シンプルに教育学部への進学を決めたのですが、大学で教職について学んだり、日々の業務に忙殺されている父の姿を見たりするうちに、先生方や教育現場をサポートする仕事をしたいと思うようになったんです。

 学校現場について少しでも知ることができたらと中高の教員免許こそ取得しましたが、そうした背景があって教職には就かず、先生方の負担を軽減できるような教育プログラムやサービスの開発・運営などに携われたら良いなと漠然と思っていました。

全国の先生を支援する業界ニュースメディアをスピンアウト

田村:なるほど。2020年4月にリセマムからスピンアウトする形で立ち上げた「リシード」は、まさにそういった先生のための情報を集めた教育業界ニュースサイトです。先生方は通常業務でご多忙にもかかわらず、校外の研修に参加したり、SNSを活用して情報を集めていらっしゃったりと、自己研鑽に熱心な方が多いんです。そういった先生方に参考にしてもらえるような情報発信を行って、先生方が集う情報サイトを目指しています。

野口:リセマム・リシード棲み分けながらも連携していきたいですね。ちょっと話は変わりますが、田村さんは「学校」好きでした?

田村:私はね、本当に学校が好きだったの。夏休みの最終日は、学校が始まることが楽しみすぎて眠れなかったくらい!

野口:私も学校が大好きだったんですよ。小学生のころは、いじめのひとつやふたつ受けた経験はありますけど、特段嫌な思いをしたことがなくて。学校的な勉強も嫌いではなかったので、辛いとは感じませんでした。あ、数学以外(笑)

田村:うんうん、私も同じで学校が楽しくてしかたなかった!

野口:今リセマムで読者に人気のカテゴリーって、おもに2つありますよね。1つ目は、偏差値や倍率などの受験情報。2つ目は、教育ICTやEdTechといった新しい学び。

 だいぶ前になりますけど、自分自身の高校受験、大学受験を振り返ってみると、やっぱり偏差値をベースに受験校を選択して、倍率を確認して、むしろそれ以外の受験校選びの術を知らなかったんですよね。

 私は性格上、マイペースに学校生活を楽しめたので良かったのですが、中学時代に親しくしていた後輩が高校進学後、あるとき亡くなってしまって。原因は当時も今もわからないんですけど…。成績はいつも学年トップで、中学時代はのほほんと楽しそうに過ごしていて、頑張って志望校に合格したと聞いていたのに。私が少しでも違う視点を提供して、アドバイスしていたら、結果は変わっていたんじゃないかと悔やむことがあるんです。その経験もあって、偏差値だけで進路選択をすることの危うさを感じるようになりました。

田村:なんと…。

教育や学びにまつわる多様な選択肢を提供したい

野口:もちろん偏差値や倍率は、進路選択にあたって上手く活用することで自分の進むべき道を導き出しやすくなる非常に有効な指標です。なので、リセマムでは今後も引き続き、最新の正しい情報を発信していこうとは思っています。

 一方で、多様な学び方や学校のバリエーションを紹介することで、受験生本人や受験生をもつ保護者の方にとって、新しい視座を提供できたらと思っています。教育ICTやEdTechなどのテクノロジーを活用した最新の学び方しかり、はたまた伝統的でアナログな学び方しかり。

 皆が皆、私のように「学校好き」でないかもしれないということを顧みながら、従来の教育の枠にとらわれず、リセマムを訪れる読者が、本来楽しいはずの「学ぶ」という行為にポジティブに向き合えるような情報発信をしたいと思います。「学び方マッチングサイト」的な。偏差値や倍率も、そういった多様な学びの指標のひとつとして位置付けていきたいですね。

 子供たち本人にとっては納得のできる学び方や進路選択が、保護者の方にとっては納得のできる子育てができるように、寄り添う教育情報サイトでありたいと思っています。

田村:野口さんがリセマムにジョインしたときから今までの間で、環境や考えに変化はあった?

野口:私生活でいうと、今年長男は5歳、次男も2歳になります。保育園のママ友とも子供の習い事について話す機会も増えてきて、個人的にも情報収集が日課になっています。

 現在は都内に住んでいて、おそらく地域性からしても小学校受験・中学受験をする家庭が多いでしょうし、「お受験トラック」に乗るのもひとつの選択肢だと思います。

 でもまずは私個人や私たち夫婦がしたい子育てについて考え、息子たちの興味関心をふまえたうえで、できる限り多種多様なオプションから選択していきたいなと思っています。今は自分の中にない最善のアイデアが、もしかしたらまだどこか他にもあるかもしれないと日々新しい情報を探しているところです。仕事にもつながるし、一石二鳥(笑)

読者とコミュニケーションできる仕組みづくり

田村:まさに読者目線ね。ありがたいことに読者数が増えてきて、読者の関心の幅も広がっている気がします。

野口:そうですね。メディアが大きくなると、読者が求めている情報を、それを欲している方にきちんと届けられているのか不安になることがあります。

 そのため、ふだんリセマムを活用いただいている読者の皆さまについて知る試みとして、定期的に読者アンケートを実施しようと思っています。

 多岐にわたる情報を発信する際に、今この記事を誰に対して発信するのか、どんな悩みをもっている方に届けたいのかを明確にすることは、メディアとしての軸を維持する意味でも大切なことだと思います。

田村:10周年を迎えた今、読者の皆さまはメディアにとっての財産だとあらためて感じます。

野口:そう思います。アンケートだけでなく、関心のあるテーマや取材のリクエストなど、読者の皆さまとのコミュニケーションができる仕組みも整えたいと思っています。

 読者の皆さまとの接点としては、数年前から注力している主催イベントも、オフライン・オンラインの実施形態を見極めながら充実させていきたいです。

田村:新生リセマムに期待しています!

野口:はい、引き続き見守ってください。皆さま、これからどうぞよろしくお願いいたします。

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<編集部>