子供の送迎課題を解決するサービスを開発するhabは、横浜市関内エリア周辺にて子供の習い事送迎の試験走行による実証実験を実施。アンケート調査によるニーズ把握も踏まえ、今後のサービス展開に向けて事業パートナーの募集を開始した。
habが行ったアンケートによると、送迎によって子供の習い事や自身の求める仕事内容・働き方をあきらめた経験があると回答した人が50%を超え、送迎負担が自己実現を妨げている現状が確認できたという。こうした背景を踏まえ、habは地域の習い事に通う子供が相乗りして目的地へ行けるスクールシャトルシェアリングを実現する各種サービスを開発。今回、横浜市スタートアップ社会実装推進事業の採択企画として、2023年3月1日〜15日の期間、habの試験走行とアンケート調査を実施した。
事前のニーズ把握では、合計登録者数265名、送迎リクエスト件数270件が寄せられ、横浜駅周辺、関内駅周辺、中山駅周辺、あざみ野駅周辺を主要エリアに横浜全域でのニーズを確認。おもな習い事の種類は塾とスポーツ関連が大半を占める結果となった。
結果を踏まえ、もっともニーズの高かった関内エリアにてユーザーを絞り試験走行を実施。関内周辺在住の子供14名、送迎先5教室を対象にサービス提供を行った。走行実績は合計28便、のべ乗車数48名を日産セレナ2台で対応。普通車や自転車、徒歩にて5〜15分程度かけて送迎している家庭からのニーズが高かった。
実証実験では、保護者向けアプリ、ドライバーアプリ等各種システムのプロトタイプを提供し、サービス全体の価値検証も実施。保護者アンケートでは継続利用率100%という高い評価が得られ、中でも車両のリアルタイム位置情報と乗降の際の通知、LINEを活用したサービス設計が高く評価された。一方、さらなるサービス向上に向けた課題として、停留所での子供の安全性を高めるために法人の協力を得る仕組み、家族内で子供の乗降通知や位置情報をシェアできる機能等、子供の安全性向上のための改善点も確認できたという。
また、今回、habを利用した保護者に他の子供の乗降サポートをしてもらう「habサポーター制度」も試験導入。今後の有償運行開始時には、habサポーター制度に協力した場合に利用費を割引きするサービス設計を導入予定だという。habサポーター制度により、保護者同士で子供を見守りあう地域コミュニティ全体での安全確保が可能なサービス設計を目指す。
今回の実証実験では、横浜市でタクシー事業を展開するアサヒタクシーに運行を委託。その中でも全国子育てタクシー協会の認定ドライバーである大江元氏が運行にあたった。
habは、公共交通事業者や習い事事業者、自治体、保護者等、地域に根付いて活動するすべてのステークホルダーと共に、親子の笑顔あふれる地域社会の実現を目指すべく、事業パートナーを募集。事業に賛同するさまざまなパートナーからの問合せを広く募っている。
今後は、実証実験で得たユーザー評価をもとに、サービス全体の設計を見直し、システムのアップデートを実装。さらなるエリア拡大や乗車人数の拡大、有償での試験走行を実施し、本格的な社会実装を目指す。
習い事送迎サービスhab、事業パートナー募集
公開日時:2023-05-25 14:45:04
カテゴリ:教材・サービス/その他
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- スクールシャトルシェアリングhab 試験走行のようす
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- 保護者向けアプリ 使用イメージ
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- habサポーター制度
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- 試験走行を担当したアサヒタクシー 全国子育てタクシー協会認定ドライバー大江元氏
<畑山望>
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