教職調整額10%以上引き上げなど、素案を公表…文科省

公開日時:2024-04-24 12:15:39  
カテゴリ:教育行政/文部科学省

文部科学省
文部科学省
「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)素案
「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)素案
画像出典:文部科学省
 文部科学省の特別部会は2024年4月19日、質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について審議を取りまとめ公表した。教員の時間外勤務手当の代わりに一律支給する教職調整額を、現状の4%から10%以上に引き上げることなどを盛り込んだ素案を大筋で了承した。

 文部科学大臣の諮問機関・中央教育審議会「質の高い教師の確保特別部会」では、2023年6月26日の第1回会議以降、これまで教員の働き方改革など、具体的な制度設計の検討を進め、教師の処遇を抜本的に見直すため、12回にわたり議論を進めてきた。

 これまでの審議を取りまとめた素案では、学校教育と教師を取り巻く現状の報告から、環境整備の基本的な考え方、教員の働き方改革の加速化、学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善、環境整備の着実な実施とフォローアップに至るまでを全53ページにわたりまとめている。

 教職調整額については、現在の一律で給料の月額4%支給から、少なくとも10%以上に引き上げることが必要であり、その水準を目指すべきと明記。また、現時点で現在の超勤4項目以外に別の業務を追加することは適切ではないとの考えを示した。

 学級担任の処遇については、一律支給している義務教育等教員特別手当を職務の負担に応じた支給方法に見直し、学級担任について手当額を加算。管理職の処遇については、管理職手当と本給の両方を改善するといった処遇改善案を盛り込んだ。

 また、学びの質向上と学級担任の持ち授業時数の軽減を目指し、現在、小学校高学年で取り組んでいる教科担任制については、今後、小学校中学年へ拡大する案を提示。新規採用教師については、学級担任ではなく教科担任として学級副担任を担当するなどの例をあげ、教科担任制の充実に向けた定数改善を目指す意向を明示した。

 働き方改革については、在校等時間の目標の目安として、まず時間外在校等時間が月80時間超の教師ゼロを最優先で目指し、将来的には、教師の平均の時間外在校等時間が月20時間程度となることを目指すべきとしている。
<川端珠紀>